時間管理が出来ず失敗の連続だった僕が変身できた理由

時間管理が出来ず、いつも時間に追われる日々を過ごしておりました。そんな時、新たに新入社員研修を任されることになったのです。日々の仕事だけでもストレスが限界に達していたのに、新たに加わることで気持ちの面でくじけそうになりました。

時間管理のスキルを身につけるべく悪戦苦闘の日々が続き、本を読んで実践しても全く上手くいかず失敗の連続でした。

そんな時、お手本になる人のマネをしようと思いつき、そこから徐々に変化していったのです。ダメダメだったときからどのように変化出来たか理由を書きました。変身とは大げさですが、やり方次第では可能であると経験から学びました。

新入社員研修までのスケジュールを作成する不安

大卒を毎年3名から5名が入社してくる新入社員を向かい入れるために事前に準備していきます。4月の入社式の計画を前年の12月頃に作成し、翌年1月から3月末まで4か月間をかけて入社後の全体の教育内容や教育教材を作成します。私を含めて6名で実務に携わります。

日々の仕事が慌ただしく、日常的にスケジュール通りに進まない現状があり、そこへ新たな新入社員研修の計画を作成することは難しく、不安になりました。そういったことを踏まえて予定通り進まないスケジュールをどのように計画すればよいのか悩みました。

新入社員研修までのスケジュール管理に仮説を立てた

どんなに綿密にスケジュールを立てても、想定外の業務が割り込むことが多く予定通りに事が進まないことがわかりました。

このまま「時間が足りない」を放置できないという問題がありました。これについて、課内で効率的に時間を有効活用するにはどうすればよいのか話合いました。そして、次のような仮説をたてました。

【仮説】

  • 新入社員研修までの計画をスケジュール表に落とし込むのではなく、まとまった時間(空白時間)の確保に努めれば十分にスケジュール通り準備ができるのではないか?

【仮説の理由】

計画をスケジュール表に落とし込んでも、日々の仕事、メール対応、電話対応、苦情・相談、会議と変更せざるおえないので、まとまった時間の確保に努めた方が良いのではないかと考えたのです。

【仮説に至った背景】

以前は計画したスケジュールにこだわりすぎたため、メール確認を後回しにして対応が後手になったり、打ち合わせを断ったためその後の対応に追われたりと結局、同じ分の時間が発生し、何の改善になっていないという弊害が生じていました。

実際にどのように取り組んだかを説明したいと思います。

空白時間を作る

日々、課内の合意のもと朝礼後の90分を新入社員の研修教材作成のため空白時間を確保しようと計画しました。実際には「上司に呼び出される」「依頼事項を頼まれる」「電話が鳴る」「緊急要件が発生する」というありさまで90分確保する計画は初日から無残にも打ち砕かれました。

一週5日間単位で区切ると予定通り90分確保は正直大変で出来ませんでした。

どうしても空白時間を作らないと、初めての取り組みである新入社員研修の教材が作れなかったのです。このままでは時間に流されてしまうという危機感がありました。

最初はまったく空白時間が作れませんでした。

毎週1回のミーティングで進捗報告

毎週1回の定期ミーティングで新入社員の研修教材作成の進捗を報告することになっておりました。私が第1回目に報告した内容は「研修教材作成にほとんど手が付けられませんでした」と報告したのです。

【上司から下記のような質問がありました】

  • スケジュールと進捗結果はどうなっているのか?

【私が答えた内容】

  • スケジュールは毎日、90分の時間を作り取り組もうと計画しましたが計画通り進みませんでした。出来なかった理由は期限が迫っている申請書類の作成や打ち合わせ業務、緊急度が高い仕事ばかり優先して本来のスケジュールを後回しにしてしまいました。

【上司からのアドバイス】

回りの人もそれぞれ予定があって仕事をしているので相談や問い合わせ、突然の依頼がくるのは当然。だから時間は常に足りなくなるし、みんな同じ。
時間が足りないと嘆くより、時間を無駄に使っていないか検証してみるといいよ。
無駄を徹底的に無くすことに取り組んでください。

  • 上司のアドバイスを受け時間を無駄に使っているか検証することにしました。

時間の無駄いを検証してみた

検証のため5日間、実際どのように時間を使っているのか記録してみました。
記録の方法はメモ紙に時間とその間何をしたかを書くというシンプルなものです。

1日目にして驚きの事実が判明し約60分もの時間を無駄にしていたのです。それは、「仕事に関係ない会話の時間」「無駄に席を立っている」何よりも「仕事の段取りの悪さ」が明らかになったのです。

【仕事に関係ない会話】

  1. 家であったプライベートな話
  2. 噂話
  3. 芸能界の話

【無駄に席を立つ】

  1. 整理・整頓が出来ていないために書庫の中の書類を探す。
  2. 水分を多く取るためトイレの回数が増える。

【段取りの悪さ】

  1. 事前準備が出来ていない。
  2. 一気に全部仕上げようとする。
  3. 関係者への仕事の共有ができていないからスムーズに仕事が進まない。
  4. 無駄に電話の相手の話を聞く
  5. ボーっとしている時間があり、時間だけが過ぎる。

約60分もの時間を無駄にしていることに、何をやっているんだという自分に対しての憤りを感じました。

時間の無駄を無くしきれない

まず、無駄な話はしないように意識して気を付けることは容易でしたが、仕事における事前準備は大変でした。何が大変だったかというと一つ一つ考えていたのでは時間ばかり過ぎてしまうので、作業しながら次の仕事の流れをイメージしながら段取りを組むことでした。

そして、次のことを考えて仕事していると順調に事が進めばよいのですが、ほとんど順調には進みませんでした。そうなるとストレスが高まり、イライラして逆に仕事が進まなくなる現象が起きるのです。
工夫しようと思もとうまくいかず、半ば投げ出したい思いが強くなってきました。

ふと、気づいたことがありました。時間管理をするとイライラするから、今まで自ら考えないようにしていたと。だからいつも仕事は緊急で急ぎのものばかりに追われているのではないかと。結果、充実感がないまま緊急の作業を繰り返していたのかと。

新入社員研修は重要な取り組みだが緊急性が少ないから後回しにする。ここで諦めたら空っぽの研修内容になり、取り組んだ時間が無駄になるという思いが出てきました。

私の中で、辛く苦しくても「時間管理」について何か一つ、自分のやり方を身につけると決意しました。

仕事ができる人を観察してみた

やっぱり仕事をこなすにはその人のノウハウをマネするのが早いと思い、仕事ができる人はどのように時間管理していいるのか観察してみました。観察のモデルとなったのは同じ会社のヒカルさん(仮名)。

ヒカルさんをモデルにした理由はスーパーマンの様に仕事が早く正確なのです。書類を読むスピード、理解力はもとより、手際の良さ、企画力や数字の見通しの正確さが群を抜いていたのです。

何といっても、誰もが認めていました。ヒカルさんは元々営業職で成績は常にトップ、今は営業企画部のリーダーをしており主に営業戦略を考える部署で仕事しております。

ヒカルさんは、共有できる情報はオープンにし、また周りのメンバーが出来る仕事はどんどん任せていました。

そして、周りがどういう仕事をしているのかすべて把握しており、メンバーも全員が集中していました。何より無駄な話をしないことが私には時間を意識している印象を受け、全員がヒカルさんの期待に応えようとしていると感じました。

周りの仕事が把握できるのは常に情報を共有し進捗を把握し、誰が何をしているのか一つ一つ理解していることでした。

ヒカルさんに思い切って時間の使い方や考え方について聞いてみました。

katsu
katsu

ヒカルさん、こんにちは。私はいつも時間管理が下手で仕事に追われる毎日です。新しい仕事も任されてもどのように時間を使えばよいのかわかりません。無駄な時間も洗い出したのですが、無駄を無くそうとすればするほどストレスがかかります。ヒカルさんの時間の使い方や考え方を教えてください。

ヒカルさん
ヒカルさん

時間の使い方の前に「どういう人間になりたいか」「どういう仕事をしたいか」そして一番大事なのは「自分の仕事を好きになる」ことだよ。好きになるためには、一日を夢中になって一生懸命やってみること。失敗を恐れない。これがコツかな。

katsu
katsu

ヒカルさん、わかったようでわからない。もう少し詳しくお話いただけますか。

ヒカルさん
ヒカルさん

時間管理はスキルではなく意識と経験の差だと思うんだ。たとえボクが時間の使い方をアドバイスしても、何の変化もないと思うよ。

逆に質問するけど、結果を残す人はどういう人だと思う?

katsu
katsu

仕事が好きだからですか。

ヒカルさん
ヒカルさん

50点。あと明確なビジョンがあり、そこに到達するにはどうすればよいか常に考える習慣をもっていたということだよ。

何度も何度も考える。考えるポイントはどういう貢献ができるのか、そして試行錯誤を繰り返す。そしてほとんどの人がやらない、ハードな仕事を自分に課すことだね。これについては本を読めば改善するものでもないよ。

katsu
katsu

近道はないですね。スキルを身につければ解決すると思っていましたが、甘かったです。ありがとうございました。

ヒカルさんが言わんとしていたのは、まず仕事が好きになること仕事が好きになれば、時間の工夫も自然にするようになる、ということだと思いました。
仕事が好きになるには、そもそもどういう人間になりたいか、どういう仕事がしたいかを明確にすることが必要であると。

こうした人になりたい、こうした仕事がしたい、と明確になれば、自らそこに向けて仕事も一生懸命になれ好きになれる、でもこれだけでは50点。


加えて明確な目標に到達するためにどうするかを何度も何度も考えたり、目標に到達するためにハードな仕事を自分に課すことが大切ということにつながりました。

まとめると、自分になかったポイントは、「どういう人間になりたいか」「どういう仕事をしたいか」をしっかり考え、「ハードに仕事をこなす」この3点の理由を考えるようになりました。

どういう人間になりたいのか

ヒカルさんが言っていたどういう人間になりたいのかと時間管理の関係について考えました。20代のころから大切にしている言葉が3つのあります。それは、「愛情」「調和」「進歩」です。そこから、どういう自分になりたいのかが見えてきました。

そして、なりたい自分が見えてくると今まで以上に時間を意識するようになり、そうすると目標に向かって進むうちに時間の無駄は人生の無駄に感じてきました。

【どういう人間になりたいか】

優しい心を持ち、調和を保ち乱すことなく、絶え間ない努力を続け成長し、誰からも信頼される人間になる。

どういう仕事がしたいか

弱音を吐かず目標が明確で、その目標に邁進し早く、正確で、頭の中が整理され決められた時間内に人の2倍の仕事量をこなす。考える中でどういう仕事がしたいのか見えてきました。

理想の仕事像が見てくると時間が許す限り、「集中」することの大切さを感じることができました。

【どういう仕事がしたいか】

目的がはっきりしており目標が明確で達成され、常に貢献し成果にこだわる仕事。

仕事を好きになる

ヒカルさんが言っていた、「一生懸命やると仕事が身に付くし好きになるよ」と言葉の通りとにかく真剣に一生懸命仕事に努めました。

どのように一生懸命になったかというと、とにかく没頭しました。するとどうでしょう。雑念がなくなり半自動的に頭が働いている状態になったのです。これは本当に驚きで無心の状態でした。

仕事に集中するとはこういうことかと本当に思いました。

スポーツ選手が「無心の境地とか無欲の状態が良い結果をもたらした」なんてことを耳にしたことがありますが、まさに私が味わった「無心」の状態と似た感じなのかなと思いました。

「仕事が好きになった」というよりは、「仕事が面白くなった」の表現のほうがあっていると思います。

仕事が好きになると時間を忘れて取り組んでいました。仕事量は決して少なくなかったですが不思議とうまく回りました。なぜうまくいったのか考えてみると「疲れを感じないくらい集中できた」「疲れを感じても楽しめた」ことが大きいと思います。

これまでは、雑談など無駄と感じる時間が多かったです。

新入社員研修の資料作成も順調に進み無事完成させることができました。小手先のスキルやテクニックは重要ではなく考えて考えて、試行錯誤を繰り返すことこそ価値がありとても重要なことだ思いました。

時間は大切な資源

仕事に没頭すると、それ以外のことが無駄に感じ時間そのものが「資源」に感じてなりませんでした。すると、いつのまにか「無駄時間」が消えてしまい、あの不思議な感覚は今でも覚えています。

今までも一生懸命仕事をしていましたが、ゼッタイやりきるという使命感や覚悟の違いだと思います。

周りの人からいわれるのは、顔が怖くて必死さというか話しかけれない状態のようでした。

6名のチームで進めるなかで一人でも仕事に没頭する人がいると思いが伝播していき、今まで真剣でなかった人も引き上げられていきチームに一体感が生まれました。

以前までは「時間の空白」を作るのに苦労しておりましたが、今は意識して作れるようになりましたし、没頭していると集中力が研ぎ澄まされた感覚があり、電話や問い合わせがあっても瞬時に判断できるようになりました。しかし、没頭していないときは、時間の無駄を感じる場面があるので意識することが大事だと感じています。

時間の管理術

時間管理について魔法の杖は「存在しなかった!」これが今、言える答えです。
どうすれば時間を管理できるかと聞かれたらこう答えます。「自分を管理できれば時間を管理できる」

ありきたりな表現になりますが経験上いえることは「考える」と「努力」が一番だと思いました。その中で真剣に仕事に没頭することが近道だと思います。

手帳にスケジュールを書くことは重要ですがそれだけでは十分ではないことが経験から解りました。

没頭することで気持ちが変わった

仕事に没頭して集中することである変化に気づきました。それは、中途半端な言い方をしなくなりました。例えば相手に期待させるような上辺だけの返事や理解していないのに理解しているような言い方をしなくなりました。

一言でいうと言葉に「責任」が持てるようになりました。

それは、一つ一つを物事を考えて行動できたからだと思います。

そして何よりも大きいのは「どういう人間になりたいか」「どういう仕事をしたいか」をしっかり考え、「ハードに仕事をこなす」こと。

この3点を通して崖っぷちに身を置き、時間管理を学ぶことで「無心」といいますか「集中する」ことの大切さ経験し、今まで以上に仕事に対する「責任」を感じながら取り組めるようになりました。

期限を設ける

いつまでにやりきるのか。これも大きなポイントになります。なぜかというと期限がないとダラダラと緊張感もなくなる可能性があるからです。

私の場合、期限を内に達成できない場合もありますが、必ず設けるようにしております。そうすることで集中力が格段にアップするからです。

まとめ

  1. 時間管理に魔法の杖はない。
  2. 時間管理を身につけるのは試行錯誤と失敗は避けて通れない。
  3. どういう人間になりたいのか明確にする。
  4. どういう仕事がしたいのか明確にする。
  5. 仕事を好きになり自らハードな仕事を課してみる。
  6. 仕事に没頭することで変身できることを体験しその理由を持つ。
  7. 仕事に期限を設ける。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。これからも時間管理の精度をあげて、読者の皆さんと共有していきたいと思います。

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